店を出て、歩いて行くとうなぎ屋さんがありました。
唯は猫がいないかなと思って覗いてみました。
すすで真っ黒になった電灯がぶら下がっています。いえいえ、良く見ると、光る電球を胸に付けた大きなうなぎでした。
「俺はうなぎ電球と言うつくもがみだ。猫ちゃんが来たってここには食べるものは無いね。この店では捨てるものがでないんだよ。頭だって、えらだって、串焼きにしちゃうからね。仲間たちにも『どうせ食われるなら大切に全部食ってもらえよ』っていつも言っているんだ。」
知らぬ間に集まっていたうなぎたちが一斉に体をくねらせてうなづきました。おや、うなぎの中に猫のしっぽが紛れ込んでいます。